2024年度が始まったとき、つまり2024年4月1日から相続登記が義務化されます。2021年の通常国会で、民法や不動産登記法などの改正案について審議が行われ、4月21日に成立しました。改正法の施行は大部分が2023年4月1日ですが、通知や準備期間が必要な部分に限り別途施行日が定められました。相続登記の義務化も、相続人申告登記制度の創設とともにこの周知期間が必要な改正内容の一つとなっています。

相続登記が義務化された後は、亡くなった人の配偶者や子などの相続人は、対象不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記手続きをしなければなりません。義務は罰則つきで、正当な理由なしに登記手続きをしないままでいると、10万円以下の過料に処されます。ここで注意が必要なのは相続登記の義務化が、遡及適用となっていることです。施行日より前に相続の開始があった場合も登記を行う義務の対象で、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日か改正法の施行日のどちらか遅い方から3年以内に手続きを行う必要があります。

改正法の施行日が遅い方に該当する場合は、2027年3月31日までに登記手続きを済ませなければ罰則の対象となります。過去に相続で不動産を取得したことがある場合は、登記事項証明書などを用いて手続きが行われているかどうかの確認が必要です。もし、手続きをしていないことが判明した場合は、できるだけ早期に不動産登記を済ませましょう。