2015年から相続税の非課税枠である基礎控除が引き下げられ、相続税を負担しなければならない人が増えました。財産を洗い出して概算の評価額を算出し、「どうもうちは相続税がかかりそうだ」ということが分かったら、早めに対策をとりましょう。対策の3本柱はずばり「減らす」「下げる」「確保する」の3つです。3本柱の1本目は、「相続財産を減らす」こと。

特に手軽にできるのは生前贈与です。比較的裕福な親が、住宅ローンや教育費にあえぐ子に援助すれば、子も助かります。ただし、一定額以上の贈与には贈与税がかかるので、贈与の非課税枠である基礎控除や、非課税枠となる制度を上手に利用したいところです。第2の柱は、「不動産を有効活用して評価額を下げる」こと。

不動産は相続財産の中でも金額がかさみますが、利用の仕方によって評価額が変わります。評価が低くなるのは、賃貸アパートなどを建てて人に貸している土地です。とはいえ、賃貸アパートを建てるには費用がかかるし、空室リスクもあります。賃貸経営はビジネスなので、腰を据えてじっくり取り組む必要があるでしょう。

相続税を節税できてもゼロにするのが無理なこともあります。3本目の柱は、相続税を払うことを覚悟して、「納税資金を確保する」こと。役に立つのは生命保険です。親を被保険者とする保険に加入しておき、親が亡くなった時子が保険金を受け取るようにしておけば、それを納税に充てられます。

気を付けたいのは、素人判断でする対策が、かえって税負担の増加やトラブルにつながる場合があるということ。ここは相続に詳しい税理士やファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのが得策です。